強制執行の体験談(2)

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  虚偽の「入居届」で入居する常習者   賃貸借契約を結ぶ前段階で,賃貸人は,入居希望者の勤め先や年収を記載した「入居届」の提出を求め,これを参考に賃貸借契約を結ぶか否か審査します。   しかし,賃貸人は,勤務先や年収について記載を求めても,実際に源泉徴収票や在職証などの証明書類までは要求せず,電話確認さえしないことがほとんどです。   今回の賃借人はそこに付け込んでか,賃貸人にウソばかりの入居届を提出しました。   入居届には一流企業と高年収を記載したのです。   賃貸人は疑うことなく賃借人との間で賃貸借契約を締結してしまったわけですが,賃借人は入居後間もなく家賃を支払わなくなりました。実際には,賃借人は日中仕事をせず,在宅しているような状況でした。   賃貸人は,せっかく賃貸しても家賃はほとんど得られず,裁判の末,明渡しを命ずる判決を得て強制執行手続を執りました。結局この賃借人に賃貸したことにより損失の方が大きくなってしまったのです。   おそらくこの賃借人は常習者です。執行により住み家を追い出された後も,また同じような手口で新たな住居を探し求めることでしょう。