法律事務所の日々(1)~公示送達~

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約1年前に入所しました事務の北川です。私は、今回、初めて法律事務所に入り、色々と驚いたことがありました。 その一つは、裁判所の「公示送達」という仕組みです。 こちら側が原告となって裁判所に訴状を提出すると、裁判所は訴状をチェックした後、その訴状を被告に郵便にて送付します。これを「送達」といいます。 被告が郵便物をすんなり受け取ればよいのですが、被告が転居してしまった等の理由で、裁判所に郵便物が戻されてしまうことがあります。そうなると、裁判所は、原告に対し、被告の住所地の調査を依頼してきます。 この1年間で、私も何度かこの調査に行きましたが、毎回、様々な経験をします。 ある時は、その住所地は家ごとなくなっており、空き地が広がっていることもありました。またある時は、近所の方に話を聞くのにとても怪しまれたり、また逆にとてもおしゃべり好きな近所の方に捕まってしまったこともありました。 このような調査によって、被告がその住所地には住んでおらず、また、それ以外の居場所も全く分からないということになると、裁判所は「公示送達」という方法をとります。これは、裁判所の外にある掲示板に、その被告宛の書面を2週間掲示することで、被告に対して告知するという方法です。 これで訴状が被告に送達されたことになるのです。 東京地裁の脇にあるこの掲示板には、毎日、ものすごい数の掲示物があり、これを眺めるだけでも有名企業が住所不明の被告に対して裁判を起こしていることが分かり、面白いものです。