強制執行の体験談(4)

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建物の明渡で、一番多い理由は「賃借人の賃料不払」ですが、それ以外の理由による明渡も、しばしばあります。 以前あった事件では、高級マンションの賃借人が、自室で、夜中に大勢の男女を集めたパーティーを度々開催し、他の入居者に騒音等の迷惑をかけているというものでした。 高級マンションの賃貸であったので、このような迷惑行為は、他の入居者との信用問題にも関わるため、賃貸人は、この賃借人に対し、注意をしたり、以後一切このようなパーティーは開催しない旨の約束を取り付けたりしていました。 しかし、結局この賃借人は、再び、迷惑行為となる飲み会を開催し、仕舞いにはマンションの公共スペースであるロビーで、酒に酔った数人が寝てしまうという事態となり、さすがの賃貸人も、この賃借人に対し、建物の明渡を要求することとしました。 この事件の賃借人は、大手有名企業の社員であったため、裁判を提起した時点で、会社に知られたくなかったのか、賃借人の方からマンションから退去する旨の連絡があり、強制執行の手続を要せずに、無事解決となりました。 このような、度重なる注意も聞かない自己中心的な賃借人には、裁判を提起するのが最良の方法でした。